長引く不況により、収入減を余儀なくされたり、リストラ、失業ということが珍しくない時代になりました。
また、突然の病気により医療費がかさみ、仕事が一時できなくなって住宅ローンが滞納しても、金融機関は容赦してくれませんので、三ヶ月経過すると保証会社へ代位弁済され、競売申立てをされることになります。
これは、人の病気で例えると、「癌」と一緒だと思います。末期ガンでは、助かる見込みがほとんどありませんが、早期発見のガンは、現在の医学では致死までいく確率が極めて少ないのが現状です。
住宅ローンの延滞をそのまま放置していくと、通常の利息のみならず、遅れた分の元金に対する遅延損害金が新たに発生します。尚、遅延損害金は、100万円以上は21.9%が上限です。
遅れて支払いしても、まずは遅延損害金に充当されますから、元本は減りませんので、雪だるま式に借金が膨れてしまう訳です。
仮に延滞した分を纏めて支払って、ローンの見直しを掛けて月々の支払いを引き下げたとしても、これは単なる延命措置に過ぎないケースがほとんどです。
なぜなら、大抵の場合、借入期間の引き伸ばしをすると、60歳以降も住宅ローンを返済しなければならないので、収入が無い状態で、いずれは返済不能になるからです。
しかも、あなたの住宅ローンは減るばかりか、借入期間の引き伸ばしにより、利息分が増加して、いつまで経っても住宅ローンが完済できず、支払いに追われる毎日から逃れられないのです。
これを処方するには、悪い部分、すなわち不良債務となった住宅ローンを断ち切るしか方法はありません。癌の治療も、悪い患部を切り取ることで、転移を防ぎ、再発を防止します。債務問題も同じことが言えるのです。
人は悪い患部を切断しても、命の方を大切しますから、がん患者の方は、たいがい手術をします。
借金でこのまま苦しい思いをしたくないし、生活を立て直して、またやり直したいと誰もが願ってます。
それは、自ら住宅を売却するという決断さえすれば、叶うことなのです。
任意売却(任売)とは、住宅ローン滞納により、この先返済の見込みがない場合、金融機関が担保している不動産を処分することを言います。
売り渡すときに、不動産の売買を妨げる権利(抵当権、差押え、仮差押え、賃借権など)を抹消する必要があります。
こういった権利を解除するためには、融資金額と支払い利息等含めた全額を返済しなければなりません。不動産を売却した金額が残額を上回っていれば問題ありませんが、残額を下回っている場合は、全額の返済はできません。
バブル時代であれば、不動産が値上がりして、残債務以上で売却できたケースもありました。しかし、今の時代は、不動産価格は毎年値下がりしており、新築で建てた住宅も、数年で半値でしか売れないというケースもあります。
このような住宅ローンで購入した不動産を、債権者の同意を得て、一般市場において販売し、売却代金により債務を一部もしくは全額を返済します。
任意売却の方法は、金融機関にとって、競売より多くの回収額を見込め、早期に不良債権を処理できるというメリットがあります。あなたにとっては、債務を圧縮でき、生活再建に向けての費用(引越し代、生活再建準備金など)も確保できるメリットがあり、また売った後の残債についても大抵は、任意売却に同意して支払いに協力したということで、柔軟に金融機関に対応してもらえます。
任意売却とは、自らの意思により債務を返済することであり、不動産競売のように、強制的に不動産を処分させられる、つまり奪い取られるものではありません。しかし、返済を出来なくなって、何もしなければ、間もなく競売になってしまうことは避けられないでしょう。
このまま借金で苦しい思いを続けていくのか、任意売却により、借金を整理して、次の人生を新たにスタートさせたいのか、それは、任意売却のプロに依頼するという、あなたの決断に掛かっているのです。